乳歯の虫歯は永久歯に
大きな影響を与える Pedodontics
将来の虫歯のリスクは3歳までに決まります。予防の有無やお手入れレベル、食事やおやつの与え方によっても左右されるため、当院では保護者の方に正しい知識を持っていただくことが重要だと考えています。
「永久歯に生え変わるから乳歯が虫歯になってもそこまで心配いらない」という間違った知識をもっている方は、残念ながらまだまだいらっしゃいます。 乳歯の虫歯は永久歯に影響し、歯質が脆くなったり歯並びが崩れる原因にもなったりしますので、しっかりと予防しましょう。
6歳ころに生えてくる第一大臼歯(6歳臼歯)も、今後の人生において大切な役割をもっています。生えかけの状態は周囲の歯よりも低い位置にあるため、磨き残しが起こりやすいです。毎日の仕上げ磨きと歯科医院での予防処置が、お子様のお口の健康を守る大切なポイントといえます。
虫歯を防ぐための予防処置
フッ素塗布 Fluorine
フッ素には「再石灰化を促す効果」や「歯を強くする効果」があり、定期的に塗ることで予防力がアップします。乳歯は、永久歯よりも歯質が柔らかく虫歯になりやすいのが特徴です。また、エナメル質と象牙質の距離が永久歯に比べて短いため、進行も早い傾向にあります。
シーラント Sealant
虫歯になりやすい部位の一つに「噛み合わせの溝」があります。シーラントは、虫歯になる前に溝を特殊な材料で埋めて、食べ物や汚れが入らないようにする処置です。第一大臼歯が生えてきた時期に行うケースが多く、方法は虫歯治療の白い詰め物に似ていますが、歯を削ることはありません。
決まった時間に食べる重要性
お口の中は食事をとると酸性に傾き、徐々に中性へと戻ります。それを表したグラフを「ステファンカーブ」といいますが、酸性の状態が多かったり続いたりすると、それだけ虫歯のリスクが高まるため注意が必要です。
甘いものに含まれる糖は虫歯菌の大好物であり、摂取量が多いと虫歯菌の活性化や増殖につながります。甘いものを食べるときは5分程度で食べ終わるものを選んで、食べた後はゆすいだり歯磨きをしたりしてお口の中をリセットしましょう。チョコレートやキャラメルといった粘着性があるものは歯のすき間に残りやすいため、ジュースなど口内に残りにくいものをおすすめします。
保護者の方へのお願い
お子様が予防や治療を頑張るためには、お母さんやお父さんのご協力が必要不可欠です。お子様のお口の健康を保つために、以下の内容をお守りいただけますと幸いです。私たちも全力でサポートいたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。
以下の内容をお守りください。 Point
- 虫歯になりにくいおやつを選んであげる
お子様だけでは、お口の中を健康に保つための工夫がまだうまくできません。特におやつは好きなものを好きなだけ食べたいという子が多い傾向にあります。保護者の方が虫歯になりにくいおやつやその食べ方を選んであげるようにしてください。
- 自分磨きの後はかならず仕上げ磨きをしてあげる
お口トラブルを避けるためには、丁寧なお手入れが欠かせません。大人の方でもパーフェクトにこなすのは難しく、お子様であれば尚更厳しいといえます。自分磨きの後は、必ず仕上げ磨きをしてあげてください。
「子供が仕上げ磨きを嫌がる」というお悩みは少なくありませんが、その理由の多くは磨く力の強さや歯磨き粉の味、楽しめない雰囲気にあります。当院では仕上げ磨きのレッスンも行っていますので、お悩みの方はお気軽にご相談ください。 - 歯科医院に対して怖いイメージをもたせない
歯科医院は、お子様に悪いことや怖いことをするところではありません。お子様のお口を守るための場所です。うまく言うことを聞いてくれないからといって「しっかりやらないと先生に怒られるよ」と伝えると、歯科医院に対して怖いイメージを抱き、予防のための通院を嫌うきっかけになってしまいます。
「頑張ったら美味しくご飯が食べられるよ」「歯がピカピカになって喜んでいるね」というように、プラスの内容を伝えると、お子様のモチベーションも維持しやすくなるのでおすすめです。 - 嘘をついて連れてこない
ときどき、公園やゲームセンターなど「お子様が喜ぶ場所」に連れていくと嘘をついてご来院になる方がいらっしゃいますが、それは歯科医院に対してマイナスなイメージを与える原因となります。また、治療を頑張った後に、お子様が喜ぶものを買い与えることも、約束したのであればかならず守るようにしてください。
- うまくできたときはしっかり褒めてあげる
歯科医院に来るお子様は、みんな頑張って予防処置や治療を受けています。歯科医院に行く理由をまだ十分に理解できていないお子様の場合、その不安や恐怖心は大人とは比べものにならないかもしれません。お子様がこれからも安心して通院できるよう、たとえ些細なことであっても、うまくできたときはしっかり褒めてあげてください。
カムカムクラブ Kamu-Kamu Club
野中歯科医院では、予防歯科に力を入れております。『カムカムクラブ』とは、お子様が楽しく通院し、安心して予防・治療が受けることのできる患者様の集まりです。楽しいイベントもございますので、ぜひご入会下さい!
「カムカムクラブ
~歯の健康手帳~ 」とは?
定期健診の結果などを記入し、母子手帳のようにお子様のお口の成長を記録していくものです。みんな、忘れずにいつも持って来てね(^-^)
手帳には、検診時のお子様のお口の中の状態や、行ったことの記録、担当衛生士からのメッセージもあります。また、年に1回専用のカメラを用いてお口の中のカラー写真を撮影し、手帳に貼り、記録していきますので、お子様の成長のご様子もご覧頂けます。
対象:13歳以下のお子様なら、どなたでもOKです。
ただし、原則として自主的に3ヵ月に1回検診に来ていただきます。
3つの素敵な特典 Benefits
- 年に1回お口の中のカラー写真を撮影し、記録していきます。
- 検診時にその時々のお口の中に合わせた予防ポイントのアドバイスと情報提供を行います。
- 検診時に手帳へシールを貼ります。数に応じて素敵なプレゼントがあります。
こちらは、当院で7歳の時からフッ素を塗り続けて現在13歳のお子様のお口の中のお写真です。
むし歯のない、健康なお口の状態を保てるように、かむかむクラブを通じて私たちと一緒に楽しく予防していきましょう!
カムカムクラブ定期検診の流れ FLOW
歯磨きの練習
赤染めをして、歯磨きの練習をします。ちゃんと磨けているかな?
クリーニング(PMTC)
歯ブラシでは落としきれなかったプラーク(むし歯や歯周病の原因)を専用の機械を使って除去します。
フッ素トリートメント
フッ素を塗ることで歯を強くし、むし歯になるのを予防します。
手帳の記入とお渡し
手帳に記入し、お渡しします。
こんなに楽しいカムカムクラブを通じ、私たちと一緒にお子様お一人お一人に合った予防をしていきませんか?
ご入会をお待ちしております!!ご不明な点などございましたらお気軽にお問い合わせください。
小児歯科でよく寄せられる質問 FAQ
はじめての小児歯科は不安だと思います。当院は前橋市を中心として様々なところから、お子さんの患者様と保護者の方が来院されています。その中で、特に保護者様から小児歯科についてのよく寄せられる質問をリストアップしました。少しでもお役に立てば幸いです。
乳歯が生え始めたら歯磨きの習慣づけを始めましょう! 始めのうちは、ガーゼや綿棒などで清拭してあげればいいでしょう。慣れてきたら乳歯用の歯ブラシで1~2回ちょんちょんと歯に触れる練習をして、徐々に歯ブラシの刺激に慣れるようにしましょう。
毛のついた頭の部分が小さめの歯ブラシがいいですね。目安としては毛の部分が前歯2本分の幅のものです。仕上げ磨き用に柄が長めで保護者の方が持ちやすい歯ブラシも用意しましょう。
歯ブラシの毛がひらいて、後ろから見て毛先がはみ出してきた時です。毛先が広がった歯ブラシを使うと汚れがしっかり落ちなかったり、歯肉を痛める原因となってしまいます。1ヶ月に1本くらいを目安に交換するといいでしょう。
お口がゆすげるようになったら使い始めましょう。ただし使う量には注意が必要です。生え始めから2歳頃までは切った爪程度、3歳~5歳では5㎜以下です。
子供が嫌がらず、歯磨きをするのならば問題ありませんもちろん、うがいができることが条件です。ただ、最初は子供用の歯磨剤を使用させましょう。磨いた後は、うがいは1回だけにして、1~2時間は食べ物や飲み物を口にしないようにしましょう。
まずはその歯を安静にすることが大切ですが、症状によっては歯科医院で固定することや抜歯が必要になる場合もあります。なるべく早めに歯科医院を受診しましょう。
レジンという光で固まるプラスチックの材料です。わずかですが、レジンに対してアレルギーが出る可能性があるので、そのような経験があったり、気になる症状が出るようであれば主治医に相談しましょう。
原因として虫歯と知覚過敏の2つが考えられます。虫歯の場合、進行して神経(歯髄)を刺激することで痛みが出ます。知覚過敏の場合、歯ぎしりなどによってすり減ってしまったり、歯茎が下がって根が露出してしまい神経が過敏になっている可能性があります。どちらにしても一度早めに歯科医院を受診してください。
詰め物の治療をしたとしても、歯磨きが不十分でプラーク(歯垢)が付いていれば詰め物の周りから虫歯になっていきます。治療後のケアが大切です。
毎食後、1回につき最低でも3分間を目標に磨くようにしましょう。歯と歯の間は歯ブラシだけでは限界があるので、デンタルフロス(糸ようじ)を使いましょう。
定期検診は虫歯を早く見つけるだけが目的ではありません。歯並びやかみ合わせの成長をチェックしたり、成長にあった正しい歯磨きの仕方を身につけ、健康な歯を守り育てるために必要です。
フッ素を塗る目的は歯を強くして、虫歯を予防することです。時々使うのではなく、継続して使用することで予防効果を高めることができます。ご家庭では、フッ素弱濃度の洗口剤を使っていただき、3ヶ月に1回は歯科医院で濃度の高いフッ素を塗るようにしましょう。
1番最後の永久歯は12才頃に生えてくるので、その後の数年間は塗布を続けた方がいいでしょう。生えた直後の歯はとても柔らかく、硬くなるまでに2年ほどかかるのでその間はフッ素を塗って歯を守りましょう。
理想としてはフッ素塗布と同じように12才頃までは、保護者の方が歯磨きを見てあげるといいでしょう。生えた直後の歯は柔らかく、最初は小さな虫歯でもどんどん進行してしまうのでそれを防ぐために、正しい歯磨きができるようにチェックしてあげてください。その際は、フッ化物入りの歯磨き粉を使うようにしましょう。